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ソナーズユーザー限定公開
少し読んでいただければすぐに分かりますが、下敷きになっているのは日本神話の国生み~伊邪那美の黄泉路への物語と須佐之男譚、それプラス、ギリシア神話のプロメーテウス譚。
さらに意外なところで、作者の中では鬼平犯科帳シリーズに代表される池波正太郎作品に現れる一群の人物像の生き様を下敷きにした作品なのでありました。
一行目の髑髏は無視していただいて構いません(後日公開する「黒き髑髏の語りしこと」にて触れますが、「日本霊異記」をご存じの方に取っては蛇足になるかと)。
*ギリシア神話のプロメーテウス譚を元にしており、グロテスクな描写(身体破壊、暴力、凌辱、出血等)が出てきます。苦手な方はご注意ください。
混乱招きそうなので
男神の伊邪那岐(いざなぎ)最後が「岐」
女神の伊邪那美(いざなみ)最後が「美」
この違いを覚えておいてもらうと読み取りやすいかと思います。( )やルビは入れすぎるとかえって煩雑になるかと思い、初出の際以外ではほぼ漢字のままで書いています。
最初は古事記の叙述をなぞるだけのお話しが、途中であれ? あれ? という感じになっていきます。
抜き目的のエロというより、物語を楽しんでいただく中でエロ風味のふりかけがかかってる、ぐらいで読んでいただければと。
解説冒頭で書いた日本神話と鬼平犯科帳の結びつきは、「生まれるときにその火を持って伊邪那美を灼いてしまった火之迦具土神の持つ原罪性」と池波正太郎が描く「義賊、あるいはかつては悪の道にいたものがその罪を背負いながら取り締まる側へと荷担する」という側面に、どこか通底する感情を覚えたこと。
ギリシア神話については、おそらく小学生時代だったかと思いますが、プロメーテウスの逸話を何かで読み、その挿絵を見たときに、ものすごく「いやらしさ」を感じたことと結び付いています。
中学時代に迎えることになる精通はまだだったので、果たしてそれが性的な興奮に結びついていたかまでは記憶に無いのですが、なにか「見てはいけないものを見てしまったのでは」という恐ろしくも思えるほどの不安と興奮を感じていたのかと。
文体はどこか源氏物語の与謝野晶子による現代語訳の語り口調を真似してみたり。
丁寧口調の地の文で、どこか異常とも言えるエロの描写をやってみたかった作者のわがままでもあります。
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