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日も高い昼間だというのに、閉め切られた一室。従六位の蔵人、藤原勒意がそこで対面したのは、憧れの直属の上司、蔵人頭だった。
真面目で心優しい勒意は、さる高貴な女君と文を交わしていた。何か月も手応えのない日々が続いていたが、その朝、ついに『庭をごらんにいれたい』と、逢瀬を許す文が届いたのだ。
「ついに想いが通じた!」
浮かれた気持ちで返事を書き、心はすっかり女君のもとへ。文を届けに来た童子の不審な様子にも気づかず、幸福に浸っていた。
しかしその数時間後、彼の運命は急転する。
大学寮の先輩に急かされるまま連れて行かれたのは、密談に使われるような場所。恋の成就を目前にした彼を待っていたのは、甘い逢瀬ではなく、憧れの上司との謎めいた対面だった。
憧れの上司が彼に告げる密命とは何か。そして、ようやく動き出したはずの恋の行方は?
一人の実直な若者の運命が、宮中に渦巻く思惑に飲み込まれていく。平安の世を舞台にした、恋と陰謀の物語が、今、幕を開ける。
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