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とある山間の村のお屋敷に、いたって物静かな幼領主がいました。
裏手の丘には物言わぬ石碑と目には映らないなにか。
渓谷からは鳥人の綺麗な歌声が聞こえてきます。
彼女らはその歌声で人に魔法をかけ、美貌で幻惑することに長けた一族でした。
しかし、子供をさらいに村をおそいにきたとき、鳥人の中の一人の娘が、その少年の異変に気付きます。
なんと物静かな幼領主は盲ろうだったのです。
"目も見えず、耳も聞こえないのに、この子はどうして笑えるんだろう——?"
若さと無垢が交差する、ささやかなコミュニケーションは、そして伝説に。
実は転◯?! 人間くさいモンスターたちと悪魔みたいな人間たちが織りなす不条理上等、ほっこりできて、笑って、泣ける一話完結型のファンタジー第一作。